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規制する湖から育てる湖へ

掲載日:2024.05.17

支笏湖でのカヌー、カヤック、SUP等の事故に対する考え方について

「規制する湖から育てる湖へ」

 

私たちが活動する支笏湖は1年間を通じて水温も低く、強い風が起きることから道内でも特に事故の多い湖であります。

加えて、大都市札幌からのアクセスの良さからエントリーユーザーが多く集まるのもこのエリアの特徴です。

水難事故が起きるたびに、再発防止としてどういった対策を今後取るのかという話題が持ち上がります。

 

その中で出ることの多くは「規制」です。

「風速〇mの時には出艇しない」「このエリアからは出てはいけない」

もちろんこの手の規制を強める仕組みも必要だと考えます。

 

ただ、自然の中ではどんな時でも注意を払わなければいけないのが基本であり、波の全くない湖だから危険性がないのかと言えば全くそんなことはありません。

 

環境省が定める「国立公園事業」としてガイド業を行う私たちガイドが今後積極的にやるべきこととしては、一般ユーザーも含め「皆がリスクマネジメントの考え方の質を上げ、知識、技術を向上し続けれるエリアづくり」だと考えております。

 

2024年から「一般社団法人国立公園支笏湖運営協議会」が支笏湖第五駐車場という水辺エリアの管理業務を環境省より受託しております。

その中の計画にも、「一般向けの水辺の安全講習会」の実施は既に計画しており、今期は過去には無かった安全なパドルスポーツの普及にも力をいれていく方向です。

 

支笏湖に限らず全国的にもこの一般ユーザーの危機管理能力の向上を図ろうという動きは大きな波として現在動いており、「日本セーフティパドリング協会(JSPA)」でも全国様々な箇所でパドルスポーツの安全普及の取り組みが例年以上に力を入れスタートしております。

以上の2つの団体に加盟する我々としては、形式的な再発防止策ではなく、より本質的で持続的なエリアの安全普及に向けて当社は動いてまいります。